最近、痛風で来院される患者さんが多くなってきました。
ビールが美味しい季節になってきたということもあるでしょうし、在宅ワークで早い時間からアルコールを飲んだり、リモート飲み会で長時間飲んでしまう方もいるのかもしれません。
アルコールの量が増えるだけでなく、夏に向けて汗をかきやすくなると、脱水となり、血液中の尿酸値が上がりやすくなります。
尿酸値が上がると、関節内に尿酸結晶が生じ、この結晶を白血球が処理する際に痛風発作が発症します。
風が吹いても痛いということで、「痛風」と呼ばれていますが、痛み止めで落ち着いてしまうため、そのまま放置される方も結構いらっしゃいます。
高尿酸血症状態が続くと尿酸結晶が腎臓に生じて、腎機能を悪くしてしまい、最終的には腎不全になってしまうこともあります。
痛風発作が起きた方、採血で尿酸値が高いと指摘された方は、腎臓に影響が出る前に、治療薬を飲まれることをおすすめします。
ここで、よくいただく質問がこちら
お薬を飲み始めたら、一生飲まないといけないの?
体質的に腎臓から尿酸を排出する機能が低下しやすい方は、長期的に飲む必要があります。
暴飲・暴食や肥満、水分摂取不足などが原因の場合は、生活習慣を改善することでお薬を飲み続ける必要がなくなります。
実際には、生活習慣を改善していただきながら定期的な採血を行い、お薬を減らしても尿酸値が6.0mg/dl以下にコントロールできるかどうかで判断していきます。
関節内の尿酸結晶が溶けて無くなるまでは、2年ほどかかるという報告もあり、尿酸値が正常になったからといって、すぐにお薬をやめてしまうことはおすすめできません。
長くなってきたので、来週の記事「プリン体ゼロなら痛風にならない?」で、痛風対策のおすすめの食材などもお伝えしたいと思います。
院長