当院は骨粗鬆症の予防、治療に力を入れています。
骨密度が低い方は、お薬の治療が優先されますが、お薬以外の治療として、食事や運動療法があります。
お薬をしっかりと飲んでいても、極端に言えば、寝たきりであると、なかなか骨密度は上がりません。
荷重や筋収縮、運動などによる骨への負荷により、骨形成が促進されます。
本日から不定期ではありますが、数回に分けて、運動療法について説明していきます。
骨粗鬆症における、運動療法の意義は、
①骨強度を維持・改善できること
②骨折の原因となる転倒を予防できること
の2点になります。
実際に骨密度の維持、改善に有効であると言われている運動療法の中で、あまりコストがかからず、安全に実施しやすい運動は、
自分の体重を負荷とするような筋力トレーニング(スクワット、かかと挙げ)と
衝撃の少ない荷重運動(ウォーキング、軽いジョギング)になります。
特にこれらは、道具を使用しないため、いつでもどこでも、安全に行うことができる運動としておすすめです。
今回はまず、ウォーキングについてお話をします。
以前は「1日1万歩 歩きましょう」と言われていましたが、連日1万歩以上歩くと、膝や腰に痛みが出る人が出てきます。
健康のために歩く、もしくは骨粗鬆症予防のために歩くのであれば、3,000歩から5,000歩ほど、時間にして30分~50分を目安にすると良いでしょう。
とくに、これまでウォーキングの習慣のなかった方は、歩数よりも、30分程度のタイマーをかけて、きれいな姿勢や歩き方を意識したほうが、必要な筋肉が鍛えられ、膝痛や腰痛のリスクも減らせると考えます。
どなたか一緒に歩ける方がいたら、お互いに歩容を動画で撮影し、確認しあうのもいいかもしれません。
(出典)厚生労働科学研究循環器疾患等総合研究事業
画像が小さくて、見にくかったらすみません。
「正しいウォーキング」「きれいな歩き方」などで検索してもらえれば、たくさんの情報が得られると思います。
けがをしないよう、ウォーキングの前には軽くストレッチもしましょう
ウォーキングは、骨粗鬆症の予防になるだけでなく、心臓や血管、呼吸器も鍛えられ、体全体が元気になるすばらしい運動です。
ぜひ、毎日30分以上歩くようにしましょう。
院長