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母指CM関節症

おはようございます。

 

皆さんはこのような症状に心当たりはありませんか?

 

・物をつまむときや、瓶のふたを開けるときに親指の付け根が痛い

 

・ハサミやホッチキスを使う時に痛みがある

 

・手の親指の付け根あたりが膨らんでいる、骨が出っ張っている

 

・親指が開きにくくなってきた

 

 

画像引用(日本手外科学会「手外科シリーズ 15」)

 

当てはまる方は、「母指CM関節症」かもしれません。

 

難しい病名に聞こえるかもしれませんが、病名を1つずつ分解していくと、母指とは親指のことで、CM関節とは親指と手首の間にある小さい関節のことを指します。

 

そして、関節症とは変形性関節症のことで、関節の間にある軟骨がすり減ることで、関節がなめらかに動かなくなり、摩耗による炎症で腫れたり痛みが出たりする症状のことです。

 

一番の原因は使いすぎや加齢になりますが、女性ホルモンの影響もあるとされています。

 

 

診断は、レントゲン検査や圧痛部位の確認で可能です。

 

母指CM関節症 治療方法

 

  • ①内服治療、湿布 
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  • 炎症を取る目的で消炎鎮痛剤の内服や湿布を使うことは有効です。
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  • 消炎鎮痛剤は長く使うと胃が荒れることもあるため、関節の血流や循環を良くする漢方薬や熱や腫れを引かせる漢方薬を使用することもあります。
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  • ②固定装具 
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  • いくつか装具はありますが、水に濡らせない、動かしにくいなど今のところ満足できる理想の装具に出会えていません。
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  • 当院でお出しするとしたら、金額的にもお手頃な弾力包帯を水を使わないときだけ巻く形になります。
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  • ③電気治療 
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  • 超音波や低周波で炎症をとる治療になります。
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  • お薬はなるべく飲みたくない、注射まではいらないという方におすすめです。
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  • それぞれ1回5分程度の治療で予約なしで可能です。
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  • ④関節内注射 
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  • 少量のステロイドと局所麻酔の注射をすることで、炎症を一度リセットします。
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  • 頻回の通院が難しい方におすすめです。

 

上記方法で良くならない場合は、手術を目的に大きな病院へ紹介することもあります。

 

 

本来、母指CM関節は、親指で細かな動きをするための小さな関節です。

 

ぐっと力を入れたり、荷重をかけたりするための丈夫な関節ではありません。

 

このような記事を書いている私自身も、毎日のように患者さんに注射をしているので、実は母指CM関節症の予備軍になっています。

 

注射をするときの微妙な感覚も大事なので、注射器を自動で押してくれるような機械を使うわけにもいきません。

 

親指に負担のかからない方法を模索しながら、上手に付き合っていこうと思います。

 

院長

2022年02月21日