このような症状はありませんか?
□以前より身長が低くなった
□背中や腰が曲がってきた
□背中や腰に痛みがある
□お腹がすぐいっぱいになる
□すぐに息切れがする
□歩きにくく転びやすい
□高い所に手を伸ばせなくなった
□以前から着ている服が合わなくなった
一つでも当てはまれば骨粗しょう症の可能性があります。早めの受診をおすすめします。
骨粗しょう症とは
骨の強度が低下することによって骨がスカスカになり、骨折しやすくなる骨の病気を「骨粗しょう症」と言います。骨粗しょう症が進行すると、つまずいて手をついただけや、くしゃみをしただけなどのほんのわずかな衝撃で骨折してしまうこともあります。ご高齢の方は、骨折のせいで寝たきりになり要介護状態になってしまうと介護が必要になってしまうことも少なくありません。骨粗しょう症は、自覚症状が出ないことが多いので、定期的に検査を受け予防をすることがとても重要です。
骨が作られるしくみ
私たちの骨は、何歳になっても、形成と吸収を繰り返して新陳代謝をしながら、健康で丈夫な骨として保たれています。食事などによって摂取されたカルシウムが血液中から骨に運ばれて骨が作られるのを「骨形成」と言います。一方で、骨からカルシウムが放出され古い骨が分解されていくのを「骨吸収」と言います。このバランスが崩れてしまい、「骨吸収」の働きが上回ってしまうと、骨量が減り骨がもろくなってしまうのです。
骨粗しょう症になりやすい方は?
・高齢者
・過度のダイエットをした人
・過度の飲酒、喫煙
・運動不足の人
・外食が多い、偏食
・糖尿病などの生活習慣病がある人
・家族が骨粗しょう症の人
年齢問わず女性に多い病気です
女性ホルモンの一種エストロゲンは、骨からカルシウムが溶け出さないよう抑え骨密度を保つ働きがあります。しかし閉経後は、エストロゲンの分泌が低下し始めるので、骨密度も急激に低下し骨粗しょう症のリスクが高くなるので、閉経後の女性は特に注意が必要です。しかしながら、最近では若い女性でも偏食や過度のダイエット、飲酒、喫煙などが原因で、骨粗しょう症になる人が増えてきています。女性の骨量は、30歳以降どんどん低下していきます。女性の方は、50歳になる前に骨粗しょう症の検査を受けることをおすすめします。
当院での骨粗しょう症の診療
検査について
DXA法
2種類のX線を用いて、骨量を測定する方法です。主に、腰椎や大腿骨の骨密度を測定し、骨粗しょう症の正確な診断につなげます。
血液検査・尿検査
骨代謝マーカーによって骨の新陳代謝の速度を評価します。骨代謝マーカーが高い人は、骨密度が低下する速度が速いので骨折のリスクが高いと診断されます。また、骨粗しょう症以外の病気でないかの診断のためにも行われます。
レントゲン
主に、背骨のレントゲンを撮り、すでに骨折を起こしていないか変形していないかなどを調べます。
骨粗しょう症と骨折
骨粗しょう症により骨折が起こりやすいのは、背骨(脊椎椎体)、足の付け根(大腿骨)、手首、腕の付け根です。脊椎圧迫骨折(背骨の圧迫骨折)は、骨粗しょう症による骨折の中でも頻度の高い骨折とされています。骨折の影響で、腰や背中が曲がったり姿勢が悪い状態が続くと、内臓へ負担がかかり心肺機能が低下したり、逆流性食道炎を引き起こします。圧迫骨折は、痛みを感じにくくただの腰痛と見過ごしてしまうこともあります。しかしながら、一ヶ所圧迫骨折を起こした場合、次の骨折が連鎖的に起こる確率が高まります。気づかないうちに、骨折が増えてしまう前に、早期発見・早期治療が重要です。
また、大腿骨近位部の骨折は、大半が手術を必要とする骨折であり、寝たきりや要介護状態になるリスクが最も高い危険な骨折と言えます。高齢者の骨折のほとんどが、転倒から起こるものなので、転倒しない環境を普段からつくることも重要です。
予防のために気をつけること
・骨を強くするバランスのとれた食事
・骨を強くする適度な運動
・日光浴をする
・過度な飲酒喫煙、お菓子、インスタント食品を控える
・転倒しないよう段差をなくす
・足元の小物類を片付ける
定期的に検診を受けましょう
骨粗しょう症は、痛みなどの症状がないままひそかに進行していく病気で、サイレント・ディジーズ(静かな病気)とも言われています。自覚症状が出るころには、かなり進行している可能性もあり、突然骨折してから初めて骨粗しょう症と診断される人も少なくありません。症状がなくても、定期的に検査を受けご自分の骨の状態を知っておくとよいでしょう。特に女性の方は、50歳になる前に検査を受けることをおすすめします。ささいなことでも、お気軽にご相談ください。